TTN Vol.17
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Schedule Calendarノブレス・オブリージュの旅連載〈17〉ノブレス・オブリージュ─高潔な若人が果たすべき責任と義務─校 長 原田 豊 先日、今年のノーベル受賞者の発表がありました。そして、日本人として京都大学の本庶佑先生が医学生理学賞を受賞されました。2000年まで日本人の受賞者数は8人でした。2000年の白川英樹先生から数えると、なんと16人目、他国籍の日本人をいれると19人目ということになり、ほぼ毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出しています。やはり同じ日本人として誇らしく感じますし、勇気を与えてくれます。 さて、その白川博士が、何故2000年以降日本人がこんなに何人もノーベル賞を取ることができるのかと、ある新聞の記者の問いに答えて概ね次のように述べています。アジアでは、欧米の植民地になったことから、各国はそれぞれの旧宗主国の言葉を使って学校教育をしており、「学ぶための言語」と「生活で使う言語(母語)」が違う、確かにインドの高校生に何語で習っているか尋ねると、彼は教科書も先生の講義も英語で習い、普段友達や家族とはヒンズー語で話す、とのことで、学問のための言語と生活のための言語が別々なのである、しかし、生活に立脚した言語でなく学問のための言語で、新しい学問を創造することができるのだろうか、ただ浅く理解するだけで終わってしまうのではないか、科学や芸術を創造し実践するということは、生活と一体した行為なのではないか。 この後、博士は古代から始まる、日本の先人たちの血のにじむような翻訳の努力の歴史を語り、最後にこう言って締めくくっています。確かにグローバル化はますます深化しており、世界共通語である英語をコミュニケーションの道具として学ぶのは当然のことだと思います。しかし、それは母語であり日本の公用語である日本語をしっかり身に付けた上でのこと。まず、日本語でしっかり考え、理解し、それを的確に伝達できるようにする。日本語で論理的に説明できない人が、英語で論理的に説明できるはずがありません。 少し引用が長くなり恐縮ですが、白川博士の言葉には昨今の、「英語習得必須論」を上滑りの議論にしないための、とても大切な心構えというものが含まれており、ぜひ生徒の皆さんに紹介したいと思いました。 単に英語が流暢に話せるだけでは本校で学んでいく上では不足です。本校のノブレス・オブリージュの精神は高い知性を求めています。それは、物事の本質に迫り、生活に立脚した思考の結果修得されるものであり、そのために英語と同じくらい「国語」をしっかり学ばなければなりません。私たちは常に国語で考え、国語で理解し、国語で伝達しているのです。また、同じ「理解」にしても、多くの国語(言葉)を知っている人ほど多くの人々の心の琴線、つまり微妙な心の動きというものをより正確に理解できるのです。 国語の達人は「心豊かな人」でもあるということになるわけです。123全3全21中学:高校:編集発行 : 東京都市大学等々力中学校・高等学校 発行日:平成30年11月26日 〒158-0082 東京都世田谷区等々力8-10-1 TEL.03-5962-0104 FAX.03-3701-2197 http://www.tcu-todoroki.ed.jp都市大等々力ニュースレターvol.17 2018 Nov.ToshidaiTodorokiNewsletter12DEC2018SunMonTueWedThuFri12346789101112131415161718192021222330243125262728291JAN2019123456789101112131415161718192021222324252627282930312FEB123456789101112131415161718192021222324252627283MAR123456789101112131415161718192021222324252627282930Sat315・期末考査・答案返却日・中学帰国生入試・終業式・生徒指導日・第4回高校説明会・第6回中学説明会・第2回中学合格者高校合格者説明会全全3・再指導・中学スタディマラソン全・冬季登校講座・Empowermentプログラム~希望者2全・特別授業Aターム3・特別授業Bターム3・始業日Start!・センター試験第1日目・センター試験第2日目12・総合学力テスト・総合学力テスト2・第5回GL講座・合唱コンクール~11・中学入試2・学力推移調査・高校入試・第6回 GL講座・等々力ICTフェア1・終業式・中学修了式・期末考査全・期末考査2121・再指導 ・春季登校講座全・春季合宿講座21・生徒指導日・高校卒業式・ロードハイク全21231・第1回中学合格者説明会
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